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つれづれなるままに、思い出した戦国小ネタを気が向いた時に更新します!

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2007年12月11日

蒲生風呂

今回は感動ものネタでいってみようかなと。会津宰相蒲生氏郷(ウジサト)殿。近江日野城主、蒲生賢秀?だっけな、の嫡男として生まれ、蒲生家が信長さんに降参したとき、人質として信長さんの元に行きました。
氏郷くんは通称忠三郎と名乗りましたが、才気溢れる忠三郎少年は信長さんの目にとまり、娘の冬姫?を嫁に与えるほどでした。
そんな忠三郎氏郷くんは、合戦場では勇猛果敢、また連歌をよくし、茶は千の利休の高弟として腕はぴか一、非の打ち所がないほど文武両道のミスター安土桃山、といってもよい男です。直言して憚らないのがちと玉に疵ではありますが…
さて感動話、これはまだ忠三郎さんが会津92万石の大大名に出世する前の、まだ貧しかった頃の話。
あるとき、忠三郎は戦で功のあった家臣5名を自分の屋敷に招きました。
主人から招きのあった5名は喜び勇んで屋敷へと足を運ばせました。
「おぉ、よぉ参ったな。待っておったぞ。ご馳走も用意してあるが、まず湯にでも浸かって汗でも流せ」
と忠三郎。
家臣たちは主人に言われるままに風呂場へと足を運びます。
「殿の屋敷で風呂を頂くなどとは贅沢なもんじゃ」
「まっこと。いい湯にござる」
と、思い思いに湯を使っていると、外のカマドの方から、
「湯加減はどうだ?」と一言。
家臣たちは皆、ハッと顔を見合わせます。
そう、自分達の使っている湯を外で沸かしているのは、主人の忠三郎氏郷その人でした。(しまった…知らぬとはもうせ、殿様に湯を沸かせてしもうた…)家臣達は皆一様に顔を真っ青にして、どうしてよいかわからなくなっている所、
「おまえ達の命懸けの働きに充分な恩賞も出してやれずにすまぬ。今わしがしてやれることはこんなことしかないが許してくれ」
と、忠三郎。
主人の温かい思いやりに、家臣達は皆風呂場で男泣きしました。

家臣達はこれを「蒲生風呂」と呼び、殿様の屋敷で風呂を頂戴することを、家臣として最高の栄誉としました。
  


  • Posted by せんごく at 21:34Comments(2)